危険シナリオのシミュレーション: LabSat3 + SatGen

LabSat3 + SatGenソフトウェアは、GPS, GLONASS, BeiDou の L1信号のシミュレーションファイルを作成することができるソフトウェアです。 このソフトウェアを利用して、実際にテストをすることができないGPSシナリオを作成することができ、GPSを利用した予防安全機能を評価・検証することができます。
例えば、以下のようなシナリオを作成することができます。
1. コンビニの駐車場に停車している車両が、コンビニ店内に突っ込んでいくシナリオ
2. 高速道路を逆走するシナリオ
3. 2台の車両が正面衝突をするシナリオ (LabSat3本体を2台使用して、2つのシナリオを同時に再生します。)

作成されたシナリオは、LabSat3もしくはLabSat3 Widebandモデルから再生させることができます。電波遮断室であれば、GPSアンテナにGPS信号を飛ばすこともできます。
SatGenソフトウェアは、世界中すべての場所・日時で動的なシミュレーションファイルを作成することができます。
日本に居ながら、海外シナリオでGPSデバイスの検査・試験を行うことが可能です。
例えば、日本に拠点を置いて、ドバイ向けに発売する商品を開発しなければならないとします。 SatGenソフトウェアは、Google Earth等を利用して、ドバイ市街でのシミュレーションファイルを作ることができます。このファイルをLabSat3から再生させることで、日本に居ながら製品の動作確認テストを行うことができます。

シミュレーションファイルの作成は非常に簡単です。 GGAデータを含むNMEAファイルがあればそのままソフトウェアにインポートすることもできますし、Google
Earthを利用して作成することもできます。 また、SatGenソフトウェアのコマンド入力を利用する方法もあります。
Google
Earthを利用してシミュレーションファイルを作成する場合は、'Add Path' 機能を使用します。この機能はGoogle
Earthの無料版に含まれていて、通りたい経路にポイントを入力するだけです。
次に、その経路をGoogle
Earthの'.kml'
ファイルとして保存して、直接SatGenソフトウェアへインポートします。 ソフトウェアは、経路のポイントを自動的に補間し、また滑らかな経路へと補正します。 その後、事前に設定を行ったジャークレート、加速度、コーナーリングフォース(横加速度)、最高速度情報を元に実現可能なNMEA形式(GGAメッセージ)の軌跡ファイルを自動的に作成します。
このシュミレーションファイルの作成は、操作が簡単で非常に短時間で行うことができます。 SatGen
ソフトウェアは現実的で運転可能な軌跡を自動的に生成するので、わずか数分後で都市を通る複雑なルートを定義できます。
一旦、経路と速度のプロファイルが定義されるとSarGen
ソフトウェアはLabSat 3 で再生できるバイナリーファイルの作成を始めます。
このファイルの作成は自動ですが、完成するまでにかなりの時間が必要となります。必要な時間はシミュレーションファイルの長さやパソコンのスペックによって異なりますが、数時間から丸一日かかります。
下の画像はロンドンの'klml' ファイルをSatGenソフトウェアにインポートした後の状態です。 経路のポイント不足は自動的に補完され、コーナーは緩やかな動きへと補正されます。 これにより、GPS
の信号を乱す動きがなくなります。

また、経路と速度のプロファイルは、ソフトウェアに設定されている車両運動性能モードを利用して、現実に近い動きを自動的に設定します。
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